事業承継コンサルティング株式会社(03-3527-9033)は、事業承継とM&Aを専門としています。株式評価と会社売却のご相談は無料ですので、お気軽にお電話ください。(当社はM&A仲介ではなくアドバイザーです。)

経営者に役立つ企業経営のノウハウや、事業承継の最新情報を分かりやすく解説します。

「医療法人の出資持分と社員権」

税務と会計,税理士

「社員」と言えば、一般的に社団法人等の構成員を意味します。株式会社では株主がこれに該当します。持分会社では出資者、また、中小企業等協同組合であれば組合員(=出資者)のことです。

しかし、持分の定めのある医療法人にあっては、必ずしも出資者と社員はイコールではありません。出資者と社員が一致することが一般的ではありますが、出資者と社員が異なるケースもあるのです。


社員(出資)の権利

社員たる地位すなわち「社員権」は社団の特殊性によってその権利に差異があります。一般的に、社員権には共益権と自益権があると言われ、共益権は議決権であり、自益権は配当請求権、残余財産分配請求権、持分の払戻し請求権等です。この社員権、一定の制約はあるもののそれ自体譲渡等の対象となって、社員に投下資金の回収手段や利益をもたらします。それゆえ、その地位は相続税・贈与税の課税対象となります。

医療法人への出資の特殊性

持分の定めのある医療法人の出資者としての権利は特殊です。出資者としての権利すなわち「出資持分」は、自益権を伴いますが、自由に譲渡することができ、非公開株式会社や持分会社、協同組合等のような譲渡制限はありません。また、自然人だけでなく、株式会社など法人が医療法人に出資することも、法的には可能です(営利性を否定される業界慣行として、避けられる傾向にあります。)。

これに対して、医療法人の共益権を伴う「社員たる地位」は、一身専属の地位であるため、その譲渡はできません。したがって、社員たる地位には自然人のみ就任することが可能であり、法人が社員に就任することはできません。


出資者たる社員の自益権(財産権)

医療法人は剰余金の配当が禁止されていることから、持分の定めのある医療法人の出資者の財産権は、持分の払戻し請求権と残余財産分配請求権だけです。この持分の払戻し請求権は、社員資格を喪失(退社・死亡)したときに請求することができます。
また、社員の死亡の場合は、その相続人は「出資持分」を相続することに代えて「払戻し請求権」を相続することもできます。この払戻し請求権、時効は10年です。

出資者たる非社員の自益権(財産権)

一方、非社員の出資者には、持分の払戻し請求権はなく、残余財産分配請求権のみです。したがって、その相続人は、その出資持ち分たる残余財産分配請求権のみを相続するだけです。医療法人が解散しない限り、その価値は実現しません。まさに、社員か非社員かでその取扱い雲泥の差です。
それにもかかわらず、社員と非社員のその出資持分の相続税・贈与税の評価額は同じです。非社員の相続人は、その財産権を復活させるためには、社員となるか、それとも出資持分を当該医療法人の社員に譲渡するしかありません。

経過措置型医療法人

現在、医療法人の大多数は、持分の定めのある社団です。なお、医療法の改正により、現在は新たに持分のある医療法人を設立することはできません。既存の持分の定めのある医療法人は、当面は「経過措置型医療法人」として存続することができます(平成19年4月1日以前に設立された持分のある医療法人)。現在の医療法人の大多数は、この経過措置型医療法人です。
しかし、経過措置型医療法人がいつまで存続するか(経過期間)について、厚生労働省は具体的な時期を明示していません。数年毎に医療法が改正されていますが、次回の医療法改正に併せて、経過措置型医療法人が撤廃されるとも言われています。医療法人の非営利性を徹底するために、持分ある社団医療法人の持分について消滅させたいとの思惑があるようです。

出資持分の払い戻し

この経過措置型医療法人においては、出資額に応じて、払戻しを認めています。しかし、相続やM&Aなどにより、持分を払戻す場合にトラブルが生じています。特に、かなり昔に設立して、出資持分の評価額が大きくなっている医療法人の場合においては、注意が必要です。設立より評価額が上昇していることにより、出資額を上回る払戻金が得られることになるので、裁判で争われるケースも増えてきています。

医療法人の相続や承継・M&Aについては、青山アクセス税理士法人 へご相談ください。


事業承継の相談ができる顧問税理士をお探しの方、事業承継の無料相談をご希望の方は、今すぐ事業承継コンサルティングまでお電話ください。03-3527-9033

コメントを書く

CAPTCHA


一橋大学大学院商学研究科修士課程修了(経営学及び会計学専攻)、監査法人、投資銀行にて多数の事業承継を指導
公認会計士、税理士、中小企業診断士、国際公認投資アナリスト(日本証券アナリスト協会検定会員)
日本公認会計士協会経営研究調査会「事業承継専門部会」委員。

相続税申告、相続生前対策、事業承継のこと、まずはご相談ください。Webからのお問い合わせはこちら

ページの先頭へ戻る

次回セミナー予告

※掲載していないセミナーも多数ございますのでお気軽にお問い合わせください

相続対策完全ガイド

M&Aの最新情報

最新のお知らせ・コラム

事務所概要

事業承継コンサルティング
株式会社

〒103-0027
東京都中央区
日本橋1-7-11
日本橋東ビル6階
TEL:03-3527-9033
受付時間:
平日09:30~18:30

事務所詳細はこちら

岸田康雄の著書

岸田公認会計士税理士事務所のM&Aアドバイザリー業務

相続税申告、相続生前対策、事業承継のこと、まずはご相談ください。03-3527-9033

カテゴリ