事業承継コンサルティング株式会社(03-3527-9033)は、事業承継とM&Aを専門としています。株式評価と会社売却のご相談は無料ですので、お気軽にお電話ください。(当社はM&A仲介ではなくアドバイザーです。)

経営者に役立つ企業経営のノウハウや、事業承継の最新情報を分かりやすく解説します。

福山宗久さん「ビッグデータを活用したマーケティング手法」



 Q:ビッグデータという言葉が、新聞や雑誌でも目に付くようになってきましたが、まず、そもそもビッグデータとは何でしょうか?

A:実は、明確な定義はないのですが、一般的には、これまでとは比べものにならない程の多くの種類や多くの量のデータのこと、あるいはこの多くの種類や量のデータを扱う・分析する、仕組みのことを指すケースが多いようです。

ビッグデータは、直訳すると、『大きなデータ』なのですが、これは、3Vと言う表現で説明可能です。

3Vとは、Variety、種類が多いこと、Velocity、速度・頻度が速いこと、Volume、量が多いこと、です。種類が多いというのは、一番分かり易いのが、ソーシャルネットワークサービスに代表されるような、主に個人が発信するテキストや画像、動画情報など、これまではデータとして意味があるとは考えて来なかった、あるいは意味があるとしても、分析が困難なため扱ってこなかったデータが、分析の対象となってきたことに起因します。

速度・頻度が速いというのは、これまで1日に1度しか更新しなかったのが、1時間毎に更新する、あるいは処理に2~3日にかかっていたものが、1時間で処理できるということを意味しています。

そして、このデータの種類の増加や、更新頻度の増加等により、蓄積されるデータ量が膨大となってきました。これが、まさにビッグデータなのです。

Q:しかし、データの種類や量が増えたことで何が変わるのですか?

A:データの種類が増えたことにより、これまでは把握できなかった情報の収集が可能となり、ピンポイントでのサービスの提案が可能となると考えられます。例えば、緊急でアルバイトが必要となった場合に、アルバイト先の位置情報と事前登録者のスマートフォンの位置情報を活用し、30分以内に集合可能な事前登録者のみへアルバイト情報を通知するというようなサービスがありますが、これなど、まさにデータの多様性、種類が多いことによりもたらされた活用例と言えます。

また、シンガポールのCitiグループでは、事前に同意した顧客に対し、顧客のこれまでのクレジットカード利用履歴を踏まえ、ランチタイム直前に顧客の好みそうなレストランの紹介とカード利用によるディスカウントクーポンをテキストメッセージとして顧客の携帯電話等へ送信しています。同じようなサービスは、日本でも経験された方も多いと思いますが。

Q:つまり、膨大なデータを分析することで、これまでは分からなかったことが分かるようになる、そしてその内容を踏まえて新たな提案が可能となる。それがビッグデータの価値ということですか?

A:まさに、おっしゃる通りです。様々な技術、テクノロジーの登場により、膨大なデータ、ビッグデータの分析が可能となったのです。というのも、少し前までは、膨大なデータを分析するには非常に多くの時間とコストがかかっていたのですが、テクノロジーの発展により、非常に短期にかつ低コストで分析が可能となったのです。

Q:まさに、夢のような状況ですね。

A:いえ、実はそうとは言えないのです。確かに、テクノロジーの発展により、膨大なデータを分析することは可能となりました。しかし、一方で、発展途上のテクノロジーがあり、それを補うためには、どうしても人間の能力が必要なのです。

例えば、マーケティング分析のためにデータを使おうとするとします。しかし、現在のテクノロジーでは、保持しているデータをどのように分析するか、そもそもデータが十分かつ正確なのか、さらには、得られた分析結果をどう判断し、活かすかは人間による判断が必要なのです。

将棋の世界で、プロ棋士がコンピュータに敗れたと話題になっていましたが、あれを見て、人間の知能がコンピュータに追い抜かれたと考えるのはあまりに早計です。将棋では、定まったルールの中で処理を行うことになりますので、そもそもコンピュータの得意な分野なのです。コンピュータは、どのような分析を行うべきかを提示してはくれません。せいぜい、データの持つ意味、具体的には、金額や購入頻度、住所等の間の相関関係を導き出したり、少し専門的になりますが、回帰分析を実施したり、主成分分析結果を出すくらいです。しかも、これらの分析も、最初にこういった処理を行うといった設定を人間がしなければなりません。

データ分析の流れは、大きく、データ収集、分析手法の決定、データ分析、そして結果の判断となりますが、テクノロジーの発展が大きく貢献しているのは、データ収集とデータ分析の部分だけです。先ほどの例でも、いずれも情報量や種類は膨大かもしれませんが、決められたルールで処理しやすいデータを処理しているに過ぎません。

例えば、文章等のテキスト情報、文字情報の分析の場合は、形態素解析等の幾つかの技術が使われており、かなり高度な分析ができるようになってきましたが、それでも、正確性の面ではまだまだ改善が必要です。

現時点では、全体の傾向を掴みたいというような場面での活用が中心です。

Q:しかし、ツイッタ―の分析結果やセンサー情報の分析結果が大きな価値をもたらすというような記事も目にしますが。

A:そこは、まさに全体の大まかな傾向を掴むために活用されているケースが大半でしょう。例えば、新商品を出したメーカーが市場の反応を見るためには、これまでは販売情報データ、いわゆるPOS等で収集された売上情報で確認してきましたが、それに加え、ツイッタ―やブログといった情報の分析を行うケースがあります。しかし、あくまで良い評価が多いかどうかといった傾向の把握が中心となります。もちろん、より具体的な意見等を知るために、具体的な実際のコメントを加工せずに収集することもありますが、これは従来から実施している個別のアンケート調査と類似のものです。もちろん、こういった情報も統計的に処理することで、重要な示唆を得ることは可能です。しかし、その場合に重要となってくるのは、収集した情報をどのように分析し、またその結果をどう判断するかです。

Q:では、言い換えますと、分析手法の決定と結果の判断を正しく行えれば、ビッグデータを有効に活用できるということですね。

A:その通りです。そして、そこが実は、非常に難しいのです。

例えば、非常にシンプルな例ですが、実店舗とネット販売を実施している小売企業があったとします。この会社の広告費と売上の関係を分析した所、ネット広告は相当の金額を使っているにもかかわらず、ネットでの売上が伸びていないとします。言い換えれば、ネット広告とネット売上に相関関係がないということです。一方で、実店舗の売上は、ネット広告以外の広告費と緩やかな相関関係があったとします。この場合、ネット広告を減らし、その費用をネット以外の広告費に回すという選択肢について、どう考えますか?

Q:問題なし、じゃないでしょうか?

A:そうとは言い切れないと思います。ネット広告を見て、実店舗に来ている顧客数が不明ですが、恐らく相当数いるでしょう。もし、ネット広告を減らすと、このような顧客を失う可能性があります。実際には、顧客の行動情報、すなわち、来店にしろ、ネット購入にしろ、顧客はどの広告を目にしたのか、というような分析を行うべきでしょう。

Q:もし、顧客の行動情報を持っていいなければ、データ分析はできないということになりますね。

A:いえ、それもそうとは言えないと思います。思い切って、多少の売上への影響を覚悟して、関係性を把握するために、広告費の変動実験をやるという手法があります。しかも、多店舗展開しているのであれば、サンプリングでも有効でしょう。しかし、いずれにせよ、このような検討をしっかりと行う必要があります。

Q:なるほど、ですので、御社のビッグデータ活用支援サービス(事前診断サービス)が有効ということですね。しかし、御社のサービスと類似のサービスも複数ありますが、何か違いはあるのでしょうか?

A:他社さんのサービスは、弊社が認識している限り、すべてITベンダーさんや、データ分析ソフト屋さんがサービスを提供しています。すなわち、最終的な目標は、ビッグデータ分析システムの導入や分析ソフトの販売にあります。しかし、弊社は、ビッグデータ分析システムを導入して頂くことを目標とはしていません。もちろん、導入するという決断を下された場合は、当然支援させて頂きますが、最大の目的は、本当にビッグデータの分析システムをそれなりの金額をかけてまで整備する必要があるのか、また、システムを導入する場合は、どのような分析手法で効果を出せるのかといったことを、事前にある程度確認頂くことにあります。例えば、統計分析を行えば、ビッグデータ分析ではなく、もっと少量のデータ分析で十分効果は見込めるのではないかということも含みます。

Q:それは、相応の規模のシステムを導入したいITベンダーさんにはなかなか取り辛いアプローチですね。

A:はい、そう考えています。また、分析手法についても、様々な仮説の中からフラットに検討します。データ分析ソフト屋さんでは、自分達のパッケージソフトに入っていない手法は提案しにくい面はあるのではないかと思います。しかし、ここは正直に申し上げますと、分析手法は、基本的な手法でほとんどのケースに対応できますので、差別化にはならない可能性が高いのですが。

Q:具体的なサービスの事例で、大掛かりな導入を取りやめたようなものはありますでしょうか。

A:詳細は申し上げられませんが、債権回収や債権回収業者の評価にビッグデータを活用できないかという相談がありました。実際、相応の予算も確保されていました。しかし、最終的な結論は、ビッグデータ分析システムを導入する必要はなく、ある程度のデータを基幹システムから抽出し、その情報を表計算ソフトで複数の統計検定を行うだけで十分であるというものでした。

Q:なるほど。しかし、分析手法の決定や結果の判断について、当初は御社のようなサービスを頼るとしても、基本的にはコアスキルとして企業内部で保有すべきではないでしょうか?

A:はい、そのように思います。ですので、弊社のサービスでは、ノウハウ移転も見据えて、顧客企業の担当者様とのディスカッションを重視しております。また、分析手法の決定を行ううえで重要な、統計スキルの基礎研修も提供しておりますし、データ分析専門組織の設立支援サービスも提供しておりますので、是非活用頂ければと思います。


事業承継の相談ができる顧問税理士をお探しの方、事業承継の無料相談をご希望の方は、今すぐ事業承継コンサルティングまでお電話ください。03-3527-9033

コメントを書く

CAPTCHA


一橋大学大学院商学研究科修士課程修了(経営学及び会計学専攻)、監査法人、投資銀行にて多数の事業承継を指導
公認会計士、税理士、中小企業診断士、国際公認投資アナリスト(日本証券アナリスト協会検定会員)
日本公認会計士協会経営研究調査会「事業承継専門部会」委員。

相続税申告、相続生前対策、事業承継のこと、まずはご相談ください。Webからのお問い合わせはこちら

ページの先頭へ戻る

次回セミナー予告

※掲載していないセミナーも多数ございますのでお気軽にお問い合わせください

相続対策完全ガイド

M&Aの最新情報

最新のお知らせ・コラム

事務所概要

事業承継コンサルティング
株式会社

〒103-0027
東京都中央区
日本橋1-7-11
日本橋東ビル6階
TEL:03-3527-9033
受付時間:
平日09:30~18:30

事務所詳細はこちら

岸田康雄の著書

岸田公認会計士税理士事務所のM&Aアドバイザリー業務

相続税申告、相続生前対策、事業承継のこと、まずはご相談ください。03-3527-9033

カテゴリ