事業承継コンサルティング株式会社(03-3527-9033)は、事業承継とM&Aを専門としています。株式評価と会社売却のご相談は無料ですので、お気軽にお電話ください。(当社はM&A仲介ではなくアドバイザーです。)

経営者に役立つ企業経営のノウハウや、事業承継の最新情報を分かりやすく解説します。

事業承継のための「株式承継」とは

事業承継対策のために、企業オーナーは、相続が発生する前に贈与や売却などで自己株の数を減らしていかなければいけません。贈与や売却は予め実行時期を決めることができます。これはいつ起きるかわからない相続と異なる点です。実行時期が決まっていれば、様々な株価引下げ対策を講じることができるのです。

子供を後継者と決めて、親族内で自社株の全て(発行済普通株式100%)を承継して引退する単純なケースを考えてみましょう。以下の5つの方式があります。

(1)贈与(暦年課税)
株式を贈与し、暦年課税方式により贈与税申告を行います。
贈与税の税率は他の国税に比べても非常に高いものです。株式の評価額次第では、子供に多額の贈与税負担が生じてしまうおそれがあります。この多額の贈与税を支払うことができないために、暦年贈与が採用されないケースが多くみられます。

(2)贈与(相続時精算課税)
株式を贈与し、相続時精算課税方式により贈与税申告を行います(税率は2,500万円の特別控除を差し引いた残額に対して一律20%。)。
この方式によれば、当面の税負担は暦年課税方式よりも軽くなります。しかし、相続発生時に精算しなくてはなりません(相続財産に加算して、贈与税を控除します。)。
最終的に精算されるものですが、株価を贈与時の評価額に固定することができ、株価上昇時には税負担の増加を抑えることができます。
引退する事業年度に一時的に株価を引き下げて、株式を一気にまとめて贈与することが効果的でしょう。

(3)贈与(事業承継税制)
株式を贈与し、贈与税(相続税)の納税猶予制度の適用を受けます。これにより贈与税は基本的にゼロとなります。
しかし、子供は第三者にM&Aで株式を売却しようとする場合や、廃業して会社を解散しようとする場合など一定の事由が発生すると、贈与税の一括納付が必要となります(利子税も課されます。)。
それゆえ、事実上、子供は死ぬまで会社経営を続けなくてはいけなくなります
また、納税猶予されるのは発行済株式の3分の2が限度ですので、残りの3分の1は他の方法を採らなければなりません。

(4)株式譲渡
後継者が出資する資産管理会社(又は後継者個人)に株式を売却します。例えば、後継者である子供が資産管理会社を設立し、銀行借入れで自社株を時価(=相続税評価額)で買取ります。オーナーには譲渡所得の20%の所得税が課されますが、後継者には贈与税は課されません。また、贈与の場合と異なり、相続時に遺留分の制約を受けることもありません。
しかし、オーナーに多額の現金が入るため、相続財産を減らすことができず、相続税対策としての効果はありません。また、後継者の資産管理会社は、自社株から得られる収益(配当金など)で銀行借入金を返済しますので、会社の収益性を維持しなければなりません。

(5)相続
死ぬまで何もしません。

以上、まとめると以下の表のようになります。

株式承継対策 長所 短所
株式贈与
(暦年課税)
1回で完結する。 贈与税負担が重い。
株式贈与
(相続時精算課税)
株価の上昇を止められる。
当面の税負担が少ない。
相続時に精算が必要。
株式贈与
(事業承継税制)
贈与税負担がほとんどない。 贈与後の機動性に欠く。
株式譲渡 オーナーに老後の生活資金が入る。 オーナーの相続財産が減らない。
 


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一橋大学大学院商学研究科修士課程修了(経営学及び会計学専攻)、監査法人、投資銀行にて多数の事業承継を指導
公認会計士、税理士、中小企業診断士、国際公認投資アナリスト(日本証券アナリスト協会検定会員)
日本公認会計士協会経営研究調査会「事業承継専門部会」委員。

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