事業承継コンサルティング株式会社(03-3527-9033)は、事業承継とM&Aを専門としています。株式評価と会社売却のご相談は無料ですので、お気軽にお電話ください。(当社はM&A仲介ではなくアドバイザーです。)

経営者に役立つ企業経営のノウハウや、事業承継の最新情報を分かりやすく解説します。

事業承継のための自社株対策(1)「特定の評価会社から一般の評価会社へ変更する」

事業承継のために自社株評価の引き下げ方法を検討しましょう。

株式保有特定会社土地保有特定会社は、原則として純資産価額方式により評価することになりますので、類似業種比準価額方式の方が低い場合は、株式等や土地等の保有割合を下げることが必要です。

現在はグループ法人税制が導入されましたので、この適用対象である法人間では資産の譲渡損益は繰り延べになります。つまり、原則として税負担なしにグループ法人間で資産を移転させることが可能です(もちろん登録免許税などは必要です。)。そこで、グループ法人税制の対象会社を複数保有している場合、他のグループ会社に資産を移転することによって、株式等や土地等の保有割合を変えることを検討しましょう。まずはグループ法人間における資産の再配分を検討すべきなのです。

「株式保有特定会社」から外す

株式保有特定会社とは、総資産の価額のうちに占める株式等の価額の割合が一定以上の会社をいいます。吉野工業所事件を起因とする平成25年度の税制改正によって、大会社・中会社・小会社のいずれも50%が基準となりました。

この適用を外すには、不動産の取得によって株式の保有割合を下げる方法が効果的でしょう。

ここで提案したい方法は、オペレーティング・リースです。これは航空機、海上コンテナ、船舶等の大型リース資産へ匿名組合出資する方法です。オペレーティング・リースの特色は、リース収入は毎年定額ですが、リース資産は定額法によって減価償却し、かつ、リース期間が耐用年数を上回っていますから、リース期間の前半は必ず投資損益が赤字となり、投資家に損失が分配されることになっていることです。

オペレーティング・リース取引を実行することによって、「匿名組合出資金」を資産へ計上し、株式等の保有割合を下げることができます。また、オペレーティング・リースであれば、株式の保有割合を下げることと同時に、損失分配額の計上によって利益を圧縮し、類似業種比準価額を引下げることができます。さらに、損失分配額の未払金計上によって、純資産価額を引下げることもできます(大型の償却資産を取得した場合と同様の効果があります。)。ただし、匿名組合への出資の際に多額の現金支出を伴いますので、会社の資金繰りに支障をきたさないように注意する必要があるでしょう。なお、出資金と未払金(損失分配額の累計額)の評価については、従来は簿価評価を行うことが一般的でしたが、近年では損失分配を否認する事例が出てきているため、注意が必要です。

なお、財産評価基本通達189によれば、株式評価前に合理的理由も無く資産構成の変動があり、それが株式保有特定会社を外す目的だと認められた場合には、その変動がなかったものとして判定されると規定されているため、株式評価の直前に節税対策を行うことは避けたほうがよいでしょう。

「土地保有特定会社」から外す

土地保有特定会社とは、総資産の価額のうちに占める土地等の価額の割合が一定以上の会社をいいます。

この適用を外すには、所有土地の有効活用を兼ねて、建物を新築することが効果的です。また、上述したように、オペレーティング・リースによって、大型リース事業への匿名組合出資する方法も効果的でしょう。さらに、M&Aによって事業を買収し、不動産保有会社から事業会社へ転換してしまうことも選択肢の一つです。
もちろん、借入れを行なって預貯金や有価証券に運用すれば、土地の保有割合を簡単に低下させることができますが、租税回避行為とみなされる虞があるため止めておいたほうが無難でしょう。

余談ですが、巷で散見される例として、株式等や土地等を買い戻し条件付きで第三者に売却し、一時的に「未収金」という金銭債権に転化させて保有比率を下げる大胆な手法もありますが、明らかな租税回避行為ですので止めるべきでしょう。


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一橋大学大学院商学研究科修士課程修了(経営学及び会計学専攻)、監査法人、投資銀行にて多数の事業承継を指導
公認会計士、税理士、中小企業診断士、国際公認投資アナリスト(日本証券アナリスト協会検定会員)
日本公認会計士協会経営研究調査会「事業承継専門部会」委員。

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