事業承継コンサルティング株式会社(03-3527-9033)は、事業承継とM&Aを専門としています。株式評価と会社売却のご相談は無料ですので、お気軽にお電話ください。(当社はM&A仲介ではなくアドバイザーです。)

経営者に役立つ企業経営のノウハウや、事業承継の最新情報を分かりやすく解説します。

事業承継の必要性と事業承継対策の概要

1.なぜ事業承継の準備が必要なのか

今後も進む高齢社会の下で、中小企業の経営者の平均年齢は60歳(図表1)と、特に年々高齢化が進む資本金5,000万円未満の企業の経営者が平均を押し上げ、30年前に比べて約8歳上昇しています。

図表1:資本金規模別の会社代表者平均年齢の推移

中小企業の経営者が高齢化する一方で、後継者の確保が益々困難になってきており、中小企業の廃業が年間29万社あるなかで、後継者不在を理由とする廃業は7万社に上っています。

主な事業承継の形態としては、同族への承継、内部昇格、外部からの招聘、及びM&Aが挙げられます。日本では、中小企業の多くが同族会社とされており、2003年の調査では20年以上前は親族内承継が8割を占めていました。

図表2:先代経営者との関係の変化

しかしながら調査時点では、その他の親族を含めても親族内承継は約6割に減少しており(図表2)、自分の子の意に反して、親族内の後継者確保は年々困難になってきているといえます。

多くの中小企業では、オーナー社長が自社株式の大半や事業用資産を保有し、強いリーダーシップを発揮しながら会社を経営しています。そのような経営状態の中、準備が不十分な状態でいざ事業承継となった場合には、親族間の相続問題の発生や、取引先、金融機関、幹部社員や従業員などのステークホルダーとの信頼関係ができていない、経営ノウハウなどが後継者へ十分に伝わっていない、あるいは相続税等の負担・自社株式・事業用資産の取得等に必要な資金が用意できないなど、様々な問題が生じて事業の継続を断念せざるを得ない事態も生じかねません。

中小企業は、社長個人の信用力に因るところが大きく、高い技術力や優れたサービスに基づく競争力があるにも係わらず、スムーズな事業承継ができずに廃業するケースが多く見られます。

近年は積極的なM&Aによる会社の売却も選択肢の一つとして考えられるようになってきました。親族内承継、M&Aのいずれにせよ、大切な会社の将来を見据え、円滑な事業承継のための様々な準備を計画的に行っていく必要があります。

2.何を事業承継するのか

では何を誰に、どのように承継していけば良いのでしょうか。事業承継は、現経営者から後継者へ、企業が培ってきた様々な財産を引き継ぐことによって事業のバトンタッチを行うことです。事業承継は、「経営」の承継と「財産(特に株式)」の承継の2つに大別されます。「経営」の承継では、事業を継続するために必要な業務知識や経験、人脈、リーダーシップなどの経営ノウハウに加え、現経営者の経営に対する想いや信条、価値観などに基づいた経営理念という無形の財産を伝えていくことが大切です。「経営」の継承は、単に後継者を決めることに留まらず、経営者としての資質、能力、マインドなどを承継することが目的となります。

一方「財産」の継承は経営権、支配権の確保を目的としており、自社株式や不動産などの事業用資産の承継が主となります。多くの中小企業では、オーナーの個人資産が少なからず投入されていることが多く、経営者による大半の自社株式所有や土地などの個人資産を事業の用に供しているなど、企業の所有権と経営権の分離が困難なケースが多く見受けられます。

そしてこのことが、親族間の遺産分割の問題を顕在化させる大きな要因となります。親族の一人を後継者とした場合、他の相続人の権利によって相当程度の財産が分散してしまう可能性があり、後継者以外への自社株式や土地などの財産の分散を防ぐためには、多額の現金などを用意し、代わりに相続させることが必要となります。

また相続人間の争いが発生せずに後継者一人が承継した場合でも、多額の相続税が課されることも考えられます。更に、経営者が金融機関と締結している個人保証や担保提供は、後継者が事業承継を考えるに当たって大きな負担になることが多く、大きなリスクを承知で引き受けるに値する動機付けと経営へのコミットが必要となってきます。

このように、スムーズな事業承継を行うためには、後継者の育成に早期から計画的に取り組むことと、多額の資金調達が必要となる自社株式や事業用資産の買い取りや相続税の納税資金などのために事前に必要な資金を確保することなどが重要となります。

3.後継者の経営支配権の維持・確立

承継後の経営を安定させ、迅速な意思決定を可能とするためには、後継者へ自社株式を集中させること、及び不動産等の事業用資産を自由に利用・処分できることが重要となります(図1)。

図1自社株式の集中は、議決権の相当の割合(株主総会で経営の重要事項を決議できる3分の2以上)を保有することであり、これは経営の安定性を確保するためにも重要となります。不動産等の事業用資産(例えば、オーナー経営者が個人保有する土地を同族会社へ賃貸しているケースなど)は、その大半が経営者個人による所有となっており、経営権と所有権が一致しているケースが多くなっています。そのため、事業用資産が引き続き事業の用に供される場合には、親族間の遺産分割によって資産を分散させないよう対策が求められます。

また、事業承継には相続税対策も極めて重要な課題となってきます。スムーズな承継によって後継者が安定して経営できるよう、事業と経営支配権を維持した上でどのように節税をするかという視点も欠かすことができません。

これらを踏まえ、かつ後継者以外の相続人への配慮を持って円滑な承継を行うため、親族内承継の場合について3つの視点から考えてみます。

(1)生前贈与、遺言

生前贈与は、経営者の生存中に権利の移転が実現し、自社株式を譲り受けた後継者の地位が安定するため、非常に有効な方法と考えられます。しかしながら、自社株式や事業用資産の後継者への集中は、民法上他の相続人の権利によって制限を受けることとなります。

相続人が複数の場合、他の相続人の遺留分(※)を侵害する原因となって相続人間の争いを引き起こし、事業用の財産の分散によって事業承継に大きなマイナス要因となる可能性があります。そのため、財産の分割方針を決定した上で計画的にすすめていくことが必要となります。
※ 兄弟姉妹以外の相続人に対して、最低限度の資産継承を保障する制度

一方、遺言は法定相続に優先するため、遺留分に留意すれば相続争いや遺産分割協議を避け、自社株式や事業用資産を後継者へ集中させることが可能です。しかし、遺言はいつでも撤回可能なため、生前贈与と比較して後継者の地位が不安定となる可能性もあります。

また、税制面では、それぞれの状況に応じて各種制度の税負担や適用要件を比較し選択することとなります。相続人に貢献に見合った財産を与える場合は、贈与や遺言ではなく会社の報酬として与えることも有効な方法です。これは贈与に該当せず、他の相続人の遺留分を侵害するという事態も発生しないためです。

(2)会社や後継者による自社株式の買取り

事業承継時点において役員や従業員などに自社株式が分散している場合、可能な限り買取りを実施して株式を集約させる場合があります。後継者の経営支配権を確保するためであり、将来的に当該株主と会社との関係が希薄化していき、経営に何らかの障害が生じる可能性を未然に防ぐことが期待できます。

また、現経営者には協力的だった株主が後継者に交代した以後は非協力的となり、経営の意思決定がスムーズにいかなくなることも考えられます。この場合、後継者の持株比率を高める必要がありますが、後継者個人または会社が株主と交渉して自社株式を買取る方法と、会社が新株を発行して後継者にのみ割り当てる方法があります。経営支配権を確実なものとするためには、後継者個人による買取りがより望ましいといえますが、多額の株式買取り資金の工面が困難な場合などは、会社が買取ることとなります。

(3)会社法の活用

株式の集中による経営支配権の確保も重要ですが、現在の株式の分散を阻止する措置を講じておくことも同様に重要となります。具体的には以下のとおりです。

・株式の譲渡制限を設ける
相続人に対する売り渡し請求を行う
・種類株式の活用、例えば、議決権制限株式(※1)、拒否権付株式(※2)の発行

※1 議決権制限株式を活用する場合、議決権のある株式を後継者に割り当てる一方で、議決権が制限される株式を後継者以外の相続人に割り当てることによって、後継者への経営権の集中を図ります。

※2 拒否権付株式を活用する場合、自社株式の大半を後継者に譲渡することで後継者に議決権が集中しますが、経営に不安が残るため、けん制する余地を残したい場合などに、先代経営者が拒否権付株式を所有します。強い効力を持つ株式のため、後継者以外に渡らぬよう遺言で後継者に相続させるなどの配慮が必要となります。

これらは親族内継承の視点となりますが、現状は約4割の中小企業が役員や従業員など親族外から後継者を選出しており、オーナー社長に親族の後継者がいない場合などは社内関係者(役員や従業員)から後継者候補を探すことがその典型といえます。この場合、後継者による株式取得資金が不足するケースや、金融機関からの借入に対する現経営者の個人保証の取り扱いなどの課題が見受けられます。

金融機関は、現経営者の個人資産だけでなく経営力も評価して融資を行うため、経営者が交替したからと言って連帯保証が解除される訳ではなく、現経営者による個人保証に後継者を加えるよう求められることが通常です。そのため債務の圧縮を図ることが重要となりますが、個人保証を完全に解除することは困難といえます。金融機関との交渉を根強く継続することに加え、後継者の負担に見合った報酬を確保するなどの配慮が必要とされます。

このほか、後継者の能力や事業の将来性を担保とし、金融機関からの融資や投資会社からの出資を受ける、あるいは事業承継する会社の経営陣が株式を取得して経営権を取得するMBO(マネジメント・バイ・アウト)などの方法もあります。

後継者が見つからない場合などは、会社そのものを第三者に売却するM&Aも選択肢の一つです。

 


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一橋大学大学院商学研究科修士課程修了(経営学及び会計学専攻)、監査法人、投資銀行にて多数の事業承継を指導
公認会計士、税理士、中小企業診断士、国際公認投資アナリスト(日本証券アナリスト協会検定会員)
日本公認会計士協会経営研究調査会「事業承継専門部会」委員。

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